特別支援学級について 2/2

select


・イギリス

初等学校や中等学校等に特別な学級は設置されていませんが、学校によっては障害特性や特別な教育的ニーズに配慮して、別途、特別学級を設けている場合があります。また、健康上の理由や行動上の問題等により学校に通学することが困難で、指導において特別な配慮を要する子どもが通うための特別受入施設があります。
義務教育段階において全国的な教育課程の基準としてナショナルカリキュラムが定められています。教育現場はこの基準のもと、自校の特性を考慮して教育課程を編成することになっています。
特別学校や特別受入施設では、ナショナルカリキュラムに準じながら、子どもの病気や障害に応じた学習課題を教科の中で取り扱うといった柔軟な対応がとられています。


・オーストラリア

各州の裁量によって教育が行われているため、全国的に統一された障害のある子どもの教育の仕組みはありません。例えば、ニューサウスウェールズ州では、障害のある子どもの学びの場として特別学校、特別学級があります。特別学校は、障害種に対応して設置されています。また、これらの他に病院学校、5年生以上を対象とした行動障害に特化したセンター、停学中の子どもの学校復帰を支援するためのセンターがあります。
教育現場では、障害者差別禁止法や教育における障害基準を遵守し、各州策定のシラバスを基に、教育課程の実施において障害のある子どもに対して合理的な調整がなされています。障害のある子どもが障害のない子どもと同等であることが目指されており、同等に教育の機会にアクセスできることが求められています。


・韓国

障害のある子どもの学びの場としては、通常の学級、特殊学級、特殊学校、特殊教育支援センター、巡回教育、院内学校があります。2015年に特殊教育の教育課程が改訂された中には、特殊教育の対象者に適用する特殊教育課程があります。この教育課程は、さらに以下の3つに分類されています。
共通教育課程・・初等学校と中学校の障害のある子どもを対象に、初等・中学校の教育課程に準じて編成された教育課程
選択教育課程・・高等学校の障害のある生徒を対象に、高等学校の教育課程に準じて編成された教育課程
基本教育課程・・上記の教育課程を適用することが困難な子どもを対象に、障害種や障害の程度を考慮し、学年の区分は行わず、その子どもの能力に基づいて該当する教科(国語、算数・数学、社会、科学、実科・技術・家庭、体育、音楽、美術及び教育部長官が認めた科目、特殊教育対象者の進路及び職業に関する教科)の水準を調整して編成された教育課程


・スウェーデン

基礎学校と知的障害学校等があります。特別学級は設置されていませんが、基礎学校内で柔軟な学習集団を編成することが可能となっています。近年では、知的障害のある子どもが基礎学校で授業を受け、知的障害基礎学校の教育課程を履修しています。特別な支援が必要とされる子どもに対しては、学校長の判断により教育課程の内容や時間割が変更され、評価においても特別な対応がなされています。
義務教育段階の知的障害基礎学校には、知的障害基礎学校カリキュラムと訓練学校カリキュラムがあります。相対的に軽度の知的障害のある子どもが就学する知的障害基礎学校では、基礎学校と同じ教科で個々の子どもに合わせて柔軟に教育を行います。一方、相対的に重度の知的障害のある子どもが就学する訓練学校では、教科を統合した5つの領域(芸術活動、コミュニケーション、運動、日常活動、現実理解)に基づいて、個々のニーズに合わせて学習活動を構成できるようになっています。


・おわりに

各国の特別支援教育の在り方について紹介していきました。障害のある子どもは、日本では基本的に特別支援学級を利用し、重度の場合は特別支援学校へ行きます。対して、今回紹介した他の国々では基本的に通常の学級で学び、重度の子どもが特別支援を受けることがわかります。


愛知・岐阜家庭教師のアズ調べ

自覚と責任を負う優良業者に 家庭教師協会・派遣業協同組合 の ロゴマークの利用が許されております。
Copyright(c) 家庭教師のアズ All Rights Reserved.
SSL GMOグローバルサインのサイトシール