児童数が減る中、受験者が増加、中学受験、岐阜

zyuken_up
2010年度以降、減少傾向にあった中学受験者数が、6年ぶりに増加に転じた東海地区。試験日程面では大きな変更はありませんでしたが、個別の学校では気になる動きが見られました。2015年度東海地区中学入試状況を振り返ります。

児童数が減る中、受験生か回帰試験日程は大きな変更なし

2015年度入試の中学受験者総数愛知県では、1万887名と前年の1万602名から285名増加しました。
児童数の減少や公立高校の無償化などの影響により、2010年度以降減り続けていた受験者総数ですが、増加するのは実に6年ぶり。岐阜県、三重県においても受験者数が増加しています。愛知県、岐阜県、三重県も小6児童数が緩やかに減り続ける中での。受験者回帰・は、今後の東海地区の中学受験を考える上で注目のトピックと言えます。
増加の要因として考えられるのは、景気の回復基調が続いていることと、大学入試改革の影響が考えられます。中央教育審議会により大学入試改革の答申が出され、折中1年生が大学受験する2020年度から大幅に選抜方法が変更されることがニュースに取り上げられるようになりました。それにより、中高一貴校の柔軟なカリキュラムに期待が高まってきています。来年度以降の受験者動向を考えると非常に気になる話題です。
次に入試日程ですが、例年同様1月後半からの約3週間で行われ、大きな変更はありませんでした。愛知県を例にとると、併願パターンも、男子、女子ともに例年同様のケ-スが多く見られました。
日程面で注目したいのは、昨年東海地区で名古屋経済大学市邨中学が初めて導入した「午後入試」です。「午後入試」とは、通常、午前中に実施される入試の時間をずらし、午後から実施する入試形態のこと。同日に複数校の受験が可能になる利点があります。市邨中学は、今年度1月25日の午後とさらに1月24日午後の日程を追加。他校との併願がより一層しやすくなり、受験者増加に結び付いています。

面接廃止で受験者が増えた学校も尾張地区の共学校が大幅増

ここからは個別の学校を取り上げながら、2015年度入試を振り返ります。
まずは愛知県の男子校から。面接廃止を決めた名古屋中学は、受験者数が100人以上も増加しました。受験生だけでなく、保護者にとっても心理的ハードルが高い面接が廃止されたことや、着実に伸ばしている大学進学実績も人気につながっていると考えられます。
名古屋中学に先駆け、昨年面接を廃止した東海中学も、前年に続き受験者数が増加。ただし、合格者も増加したため、実質倍率に大きな変化は見られませんでした。
一方、若干受験者数が減っているのが南山中学(男子部)です。これは、名古屋中学の受験者の多くが、併願先として南関校である東海中学を選択してチャレンジするケースが増えていることが考えられます。
次に愛知県の女子校を見てみましょう。今年度は、愛知淑徳中学や金城学院中学など、女子校も受験者が増えています。一方、椙山女学園中学はやや減少しており、男子の”東海チャレンジ”同様、金城学院中学受験者の多くが、愛知淑徳中学に挑戦するケースが増えていることが考えられます。
昨年に引き続き、受験者を着実に伸ばしたのが聖霊中学です。系列である南山大学への内部進学への期待や充実したスクールバス網に加えて、名古屋中学同様、面接の廃止が受験者数増につながっているようです。
女子校最難関の南山中学(女子部)は、受験者数は微増でした。ただし、系列小学校からの内部進学者の影響もあり、実質倍率は3・79倍と高く、成績上位者が1点を争う狭き門となっています。
名古屋女子大学中学の大幅な減少は、4教科入試から2教科入試への変更など大幅な入試制度の変更が、受験生から見て分かりづらく映り、敬遠された可能性があります。
愛知県の共学校で特徴的なのが、滝中学を筆頭に、大成中学や春日丘中学、星城中学など、尾張地区の学校が受験者を集めていることです。滝中学が昨年に比べて70名増、大成中学は61名、春日丘中学は26名、星城中学は22名と大きく伸ばしています。愛知県全体で見ても、名古屋市郊外の受験者数増加が、全体の受験者数増に大きく寄与しています。景気回復基調とともに、名古屋市郊外でも教育に対する意識の高い層が私立中学進学を検討し始めているとすると、今後の東海地区の中学受験動向を占う上で、郊外の受験生の動向は注視していく必要がありそうです。

岐阜県・三重県も受験者増加大学入試改革の行方に注目

次に岐阜県と三重県を見ていきましょう。
岐阜県は大きな動きはありませんでしたが、鶯谷中学が22名、岐阜東中学が34名など、多くの学校が受験者数を増やしました。トピックとしては、高校の新校舎が完成した美濃加茂中学が、前年から20名受験者が増えています。
三重県も、2007年度入試以来、実に8年ぶりに全体の受験者数増となりました。南北に長い地理的要因から、地城ごとに地元を中心とした受験となっている三重県において、愛知県を含めた広いエリアから受験生を集めているのが高田中学です。高田中学は、2015年度入試から定員を200名から180名へと20名削減。それに伴い、実質倍率も上がるなど難化傾向が見られました。
ひと通り、2015年度入試を振り返ってきましたが、気になるのは来年度以降の入試動向です。今後の私立中学受験者増加へ大きな影響を及ぼしそうなのが、先ほども触れた大学入試制度改革です。新しい大学入試テストでは、単に知識量を問うだけでなく、思考力・判断力・表現力などを総合的に評価する内容になるといわれています。私立中高一貫教育は、こうした改革にいち早く対応できると期待されており、その期待値が来年度以降の私学進学志望者増加につながるかもしれません。

 

 

家庭教師岐阜 アズ

自覚と責任を負う優良業者に 家庭教師協会・派遣業協同組合 の ロゴマークの利用が許されております。
Copyright(c) 家庭教師のアズ All Rights Reserved.
SSL GMOグローバルサインのサイトシール