なぜ通信制サポート校が増加しているのか

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・はじめに

最近、個人塾を始めとする規模の小さい塾で、通信制サポート校と呼ばれる形態の塾が増加しています。それはなぜなのでしょうか?今回は、通信制サポート校の説明と増加した経緯についての記事となります。


・塾の業務時間と内容について

これはどの規模の塾にも言えることですが、塾が忙しくなるのは子供たちの学校が終わってから、つまり夕方から夜までの時間帯となります。子供たちの学校が終わるまでの間、塾では掃除や準備等の作業はありますが、収入に繋がる仕事はありません。日中に小学校に上がる前の子たちへの幼児教育や全年齢を対象としたそろばん教室、パソコン教室などを行っている塾もありますが、日中に活動していない塾も一定数あるのが現状です。
そして、近年の少子化とコロナ禍により、個人塾を始めとする規模の小さい塾の経営は悪化の一途を辿っているところも少なくありません。それらの問題を乗り越える方策の1つとして、空き時間となる日中に通信制サポート校を行うことで、減少していく収入を補う塾が増えてきています。


・通信制サポート校とは

通信制高校に通う高校生は、全日制高校や定時制高校に通う学生より自宅にいる時間が多い分、孤立しがちになります。そこで、彼らを学習面で支援していくのが通信制サポート校です。
気を付けておきたいのは、通信制サポート校に入るだけでは高校を卒業したという高卒資格を取ることが出来ないという事です。通信制サポート校とはあくまで通信制高校に通う生徒の支援のための塾のような立ち位置です。
単位取得に向けた学習計画の作成から、一人では進めにくいレポートの作成や提出のフォロー、場所によっては大学進学に向けた受験対策を行っているところもあります。
また、学習面だけでなく精神面のサポートもしてくれるので、「一人では続かなさそう」「悩みを相談したい」といった生徒にも寄り添い、柔軟に対応しています。


・なぜ通信制サポート校が選ばれているのか

そろばん教室やパソコン教室なども選択肢がある中でなぜ通信制サポート校が選ばれるのでしょうか?その理由として、通信制高校に進学する生徒が増加したことが挙げられます。
通信制高校に通う生徒数は2019年度から急増し、2018年度までは18万人台を推移していたものの、2019年度には19万8000人弱、2020年度は20万7000人弱、2021年度は21万8000人強と、3年間で15%以上増加しています。
この近年の生徒数の急増は、中卒者が直接通信制高校へ進学するパターンが増えてきていることによります。以前は通信制高校を選択するのは高校の中途退学者が主でしたが、中学を卒業した後そのまま通信制高校を選択する生徒が2006年度からの15年間で増加傾向にあり、特に2017年度以降の5年間は急増しました。具体的には、中学卒業後に通信制高校へ進学する生徒の割合が2006年度には1.5%程だったのに対し、2021年度には4%を超えています。
このように、通信制高校に通う生徒が増加したことにより、通信制サポート校の需要も増えて数を増やしたのです。


・おわりに

今回は通信制サポート校が増加している理由についての記事でした。最近ではコロナ禍での休校が多かったことを受け、生徒一人ひとりにタブレット端末を貸与し課題の提出をさせたりオンライン授業を行う学校が急増しました。
今後もオンライン化が進んでいくことが考えられ、通信制高校に進学する生徒は今よりも増加していくと考えられています。だからこそ、通信制サポート校の需要と数も増えることが予想されます。

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