特別支援学校、岐阜県、知的障害

岐阜県では、今年度より特別支援学校小・中学部に在籍するすべての子どもたちが、居住する地域の小・中学校に副次的な籍(交流籍)をもち、居住する地域の学校で居住他校交流ができるよう、体制整備を進めています。その取組の甲から、ある保護者の声を紹介します。陽平(仮名)は重度の知的障がいがある小学3年生。毎日ニコニコ笑顔で楽しく学校に通っています。
保育園では、数年間まわりの友達と一緒に過ごしてきました。みんなが優しく声をかけ、上手に手助けをしてくれて、そんな仲間についていこうとする陽平の姿に、地元の小学校で仲間とともに過ごすことで伸びる力があるのではと、就学についてはずいぶん悩みました。それでも、まず、陽平の身辺自立を含め、生きる力をつけたいと願い、特別支援学校に進みました。地元から離れた学校に通うことで、地域生活から離れてしまうのではという不安もあり、また、ともに過ごした仲間との別れがさみしく、このままつながりを持ちたい気持ちが強くあり、居住地校交流を希望しました。
交流は、陽平の得意な音楽でスタートしました。なじみの顔も多く徐々に気持ちも和らぎ、歌のリズムに乗り、楽器を一緒に鳴らして楽しむことができました。
休み時間もドッヂボールで、仲間の威力に圧倒されながらも、雰囲気を味わい、多くの仲間と顔を合わせることができました。
以降、校外学習で学年全体との交流やグル-プ活動、給食など、活動時間や範囲を少しずつ広げていきました。
居住地校交流は3年目となり、構えることなくスム一ズに交流ができるようになりました。
交流が終わって帰る時間になると、陽平の「もうー回やりたい!」が定番です。この帰ってからが、まためざましい姿なのです。着替えを目分からやって「できたよ!見て!」と積極的に取り組んだり、ひらがな練習を自分から「やりたい」と課題を出すように要求したり、とやる気満々になるのです。交流の半日足らずの時間で、まわりの仲間から大きな刺激を受けて、陽平の意欲につながっているのだと思います。そんな姿を見ると、「行ってよかった」と一安心したりもします。
保育園で一緒だった仲間は「あれっ、しゃべれるようになった?こんなに保育園の時は声でていなかったよね。」とか「ぼくたちの言ってること、すごくわかるようになったよね」と、陽平の成長ぶりを感じて、一緒に喜んでくれて本当にうれしく思います。
また初めて顔を合わせる子も、素直に「一緒に~やろうよ」と声をかけてくれたり、「陽平さん、どの楽器がいいんだろう?」グループ子同士が話し合って、先生に新たな提案してみたりと、子どもたちの力を感じる場面がいくつもあり、とても励みになりました。
こういった交流をするなかで、子どもたちは家でも話をしてくれているようで、お母さん方からも「陽ちゃん学校に来たって~。うちの子が一緒のグループになりたかったって言ってたわ」「次いつ来るの?うちの子が楽しみにしてるよ。もっと来れないのかな。」と、交流の様子や親子の会話などを私たちに声かけしてくれ、私たち親子の励みになっています。
居住地校交流をすることは、お互いの生活を知る場面があり、「あっ、元気そうだね」という普通の会話が気軽にできる気がします。近所を散歩したり、近くのスーパーで買い物をしたりするときにも「あっ、陽ちゃん!久しぶりっ」と声をかけてくれ、手を振って応えることができ陽平にとっても暮らしやすい地域になっていると思います。
居住地校交流で日頃の学校生活とは違う環境で学ぶことは、その場だけでなく日常の生活に広がっており、わずかなチャンスを自分の力にしていけるのも、陽平がつけてきた力だと感じています。
たとえ言葉が話せなくても、気持ちがつながることはできると信じて、今後も継続交流ができたらいいなと考えています。

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