中学入試の多様化について

study 01


・はじめに

各校の新しい取り組みやICT環境の整備により、保護者世代と現役の児童・生徒とでは、教育環境や学び方が大きく変化しています。それとともに入試のスタイルも変わってきました。なぜなら入試は、各校の教育理念や求める生徒像をメッセージとして託された『0時限目の授業 』だからです。そこで今回は、入試の内容について書いていきます。


・中学入試の多様化

試験会場に入った受験生である自分を想像してみてください。
受験番号で決められた席に座り、鉛筆数本と消しゴムを机の上に置く。そして、国語、算数、・・・と、試験科目ごとに問題用紙が配られ解答用紙に答えを書く。静まり返る会場。響くのは問題用紙をめくる音と鉛筆の走る音だけ・・・。
きっと誰もが思い描く入試風景だと思います。ところが今、自由に移動する、グループワークや考えを発表する、そんな新しいタイプの入試が増えています
公立中高一貫校の開校が続き、従来のいわゆる教科型と言われる4科目2科目入試に、適性検査型入試が加わりました。さらに大学入試改革に連動した教育改革から、思考力型のような知識を問うだけでなく考える力や発想力まで問われる入試が現れ、以下に示すような、さまざまなタイプの入試が行われるようになりました。


・教科型(1科、2科、3科、4科、2・4科選択等)
科目の組み合わせや任意の得意科目選択、1科目のみのところも少なくない。
・合科、総合型、記述・論述型
教科横断型ともいわれ、複数の教科内容を用いて1つのテーマを考えるもの。
・思考力入試、探究入試
提示された課題に対し、自分なりの答えを導くもの。論理的思考力や発想力・想像力が問われる。
・適性検査型
図や表、文中などから情報を読み取り、知識と結び付けて考え、問いに対する答えを自分の言葉で表現する力を問うもの。
・英語入試
会話形式のものから筆記試験まで形態は様々。英検等のスコアが加味されることもある。
・プレゼンテーション
事前に示された課題を調べて準備し発表するものや、小学校時代に頑張ったことなどを表現するもの。


・様々な中学入試の例

例えば、入試タイプが多い宝仙学園共学部理数インターは2022年入試では5タイプ10通りの入試を実施します。「入試『理数インター』」の試験会場では実際に行われている教科「理数インター」の授業のように、受験生はグルーブに分かれ与えられた課題の解決方法を話し合い、発表します。別の試験会場では、特技や研究してきた成果を発表するものもあります。
このようなプログラミング入試も増えてきており、導入当初は受験生がいるのか、何を評価するのかと疑問視する声もありましたが、小学校での教科化や習い事人気も背景に、論理的な思考力や粘り強さ、発想力まで試される受験機会として注目が高まっています。
和洋九段女子では教育改革が進み、PBL型授業が全学年に整いました。同時に進めてきた入試改革で導入した「PBL入試」も、年々受験者数も増加し、入学者の活躍も伝えられています。いよいよ2022年には、日程も増やし、「総合型」「SDGs型」「プロジェクト型」での実施となります。聖セシリア女子は2022年入試において、「英語表現入試」を新設します。英語に「ジェスチャー」や「ダンス」を交えて自由に表現したものを評価するというものですが、英語でミュージカルに取り組むイングリッシュエクスプレスというブログラムを持つ同校ならではの入試です。


・おわりに

これらは、受験生の多様な可能性を引き出す入試でもあり、教科型試験と同様に入学後の学校生活とつながっていることを考え合わせると、新たな学校選びの視点が生まれてくるでしょう。大学入試では、多面的・総合的な評価の推薦型入試の比重を高めています。中学入試でお子様の得意なこと、好きなことが生かせる人試もあることにぜひ目を向けていただければと思います。


愛知・岐阜家庭教師のアズ調べ

自覚と責任を負う優良業者に 家庭教師協会・派遣業協同組合 の ロゴマークの利用が許されております。
Copyright(c) 家庭教師のアズ All Rights Reserved.
SSL GMOグローバルサインのサイトシール